私が二十歳の成人式の年は成人者の数が多い年で、当時インターンとして勤務していた美容院の着付けの予約も私の美容歴では一番多い年でした。
その当時は大正ロマンが流行しており、大正時代の衣装柄のレトロっぽさが人気で、色味も派手なピンクや黄色よりもワイン系や濃紺、深緑など濃くて落ち着いた色が流行りでしたね。
前日までに全ての着物をハンガーにかけて小物類をそれぞれの前に並べていきます。人数が多いので、小物類を間違って違う人に使用しない様に分かりやすく置いていきます。
成人式の前日はそう言った着付けの下準備で夜10時くらいまで残業です。私自身の成人式の日は勿論、仕事でした。
同じ年の女性10人以上の髪のセットと着付けの助手をする為に、まだ暗くて寒い早朝4時くらいから店に出勤してひたすら成人式の式典に送り出す役割をしました。
自分の式典でもあるのですが、美容師を職業に選んだ自分だからその日は覚悟を決めていたものの、いざ当日お客様を仕上げて送り出す時は、正直羨ましさが湧いてきましたね。
結局、私は成人式よりも二週間遅れの休みの日に友人と二人で京都、平安神宮まで参拝に行きました。仕事が忙しく休みも当時は月曜日だけだったので、自分の着物をレンタルや購入する時間も無く、参拝は姉の訪問着を借りて出かけました。
結局振袖は購入する事はありませんでしたね。しかし、その後に一回だけ美容院の先生の自前の振袖を着せて貰って写真撮影をしたのが良い思い出になっていますね。
美容師は皆、自分の成人式の日だけ少しお客様に嫉妬してしまうのです。
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